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2006年10月16日 「ふんどし祭り」


ことの発端は、こういうことらしい。
五十代なかばの一人の男が、奥様の作った麻の褌をしたところ、何年振りかに
”朝立ち”があった。
五十代なかばともなれば皆、どことなく不安を感じるものだと思うが、このニュースは
あっという間に伝わり知り合いの男たちはパンツを捨て、麻の褌に切り変えた。
成果はいかに?と聞いてみると、皆、口を揃えて親指を立てその成果のほどを大笑いしながら
強調する。綿ではだめだそうで、やっぱり麻でなくてはいけないと言う。
そばに居たひとりの女性が恥しそうに
”私はもう生理が終わっていたのに朝の褌(女性用)をしたら、女がもどってきたの。
どうしましょう。”と言いながらこれまたケタケタと笑った。
 世の中には子供が欲しくても授からない人達がいるが、そんな知り合いに早速、知らせて
あげよう。ひょっとするかもしれないじゃないですか。
世の中は、方向性を見失い、指導すべき立場にある人達でさえ、この過速度のついた物質文明
の流れに対応もできていない有様だ。僕ら一人一人には疾風ドトウのような現実が次から次へと
容赦なく押し寄せてくる。僕もその一人だが、僕は今こうしてペンを動かしながら自分の股間に
ある麻褌のゴワゴワした感じを楽しんでいる。
うまく言えないが、アイデンティティを発見したとも言えそうな不思議な感触である。
パンツはアメリカから来たが、僕は木綿のパンツとはおさらばだ。もともとそれほど強く
支配されていたとは思っていないが、この麻の褌を締めることで、まっとうな日本男児に
なった気がする。物と精神との間には、ビミョーな相互関係があることを確認させる出来事だ。
大麻には麻薬だという考えが一般に浸透してしまっているけれど、そういう間違った
世間一般常識をひっくり返すだけのパワーを秘めたこの麻褌こそ、今、最も注目を集めるべき
ものだと思う。
九月後半から十月にかけて行われた<ヘンプ・ギャザリング>は最初から最後まで、麻褌の
男たちの愛嬌あふれるフンドシ踊りの軸にくり広げられ、僕は三日間、ずーっと笑いぱなしだった。
こんなに楽しい祭りは初めてだ。又、来年も行こう。




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